拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

美しい日本の私

 

 上記のビデオが見られるようなので、目下再チェック中。

その中で、彼がオススメしているので読んだのが、川端康成がノーベル文学賞を受賞した際、講演で話した内容が本になった文章、『美しい日本の私』・・・

(なんか、どこかで聞いたような…と思ったら、安倍晋三の『美しい国』云々。あぁ、これはもしかしたら、川端康成のここからパクリしたものか〜ぁとは思った。)

 

確かに徹頭徹尾、道元・一休・良寛など禅僧による短歌を中心に日本人の美意識について切々と述べられていて、ボクは本当に驚いた。(詳しくはウィキペディアを)

伊豆の踊子は2バージョンを映画で見たような気がするが、正直、川端康成の本は一冊も読んでいないのでなんであるが、彼がこれほどまでに禅について肩入れ以上の気持ちを持っていたとは本当に驚いたのである。

このノーベル文学賞受賞が1968年、禅の大家鈴木大拙が死んだのが1966年、もし彼が生きていたら、どんなに川端康成のこの講演内容に喜んだであろうか…と思う。

大きな流れからゆうと、日本の禅の存在を世界に知らしめた鈴木大拙の働きが日本の作家、川端康成のノーベル文学賞授賞を促した…とも言えなくはない。

だから、これはボク一撮の独断でしかないが、

『禅の東洋文化は間違いなく、いつの日か世界文化に貢献する…』と絶えず唱えていた鈴木大拙が没した後すぐに、それを引き継ぐ形で川端康成が文学の面から獅子吼したように思う。

そのせいもあってか、1980年代には禅が(そして禅に関する本が)世界的隆盛をみせたが、2018年現在本屋にいっても禅に関する本はほんの数冊のみ…という現状になっている。

しかし、先日も書いたように、ネットワークのおかげもあってか世界中の人々が日本に興味を持ち、実際に足を運ぶ様には先人がばらまいた『禅の香り』に魅せられて集まって来ているのかもしれない…。

 

著書『美しい日本の私』中でも、ボクが最も気に入った短歌

 

 『 心とは いかなるものを 言うならん 墨絵に書きし 松風の音 』 一休