拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

哲玄老師の円月殺法

まぁ、それほど長生きしているわけではないが(67歳)、Youtubeで様々な分野のエキスパートの方々の話を聞くと、それなりに長生きしてよかったな~と、つくづく思わざるを得ない。

スイスの片田舎に住みながら、日本語で結構長い講義などを聞くことができる…というのは(ボクの場合だけど)ほんの数年前までは考えられないことだった。特に海外在住で高卒の自分には『有り難い』という感謝の念なしには見ることができない。

先日は安宅和人氏というAI分野のエキスパートのYoutubeを何本か連続して観た。そして彼が活動する日本と安倍が悪政しまくる日本と同じ国の話か???と思えておかしかった。

量子コンピュータとかディープラーニングとか知が高度に進化した分野の頭上で痴の政治家たちがせっせと日本沈没にいそしむ状況は『進化とは?』なんだんだ!という問いが自ずと湧いてきたりする。

そういったわけでもなく、どちらかというと偶然で井上哲玄老師の動画に出会った。


井上哲玄老師 カフェ寺 2018年9月24日

2時間を越える動画なので最初の10分だけでも観てもらいたい。

ここに、老師の『円月殺法』を見ることができるのだ。

しかしまぁ、『円月殺法』を知っている人がそもそも少ないだろうが、これは作家、柴田錬三郎が書いた小説、それをもとにした映画『眠狂四郎』の剣法の名がこの『円月殺法』といって、構えた長剣で円を描く動きの中で切り込んでくる敵を切り倒す…市川雷蔵演ずる眠狂四郎ほど『クールとかニヒル』の似合う人はいないだろう。

悟りについて説法する老師の円を描く扇子の動き、そして老師の表情が…まさに『円月殺法』をボクに想起させた。

曹洞宗の僧侶が『悟り』を正面から説法することは、ボクの知る限り珍しい。

AIを研究している諸氏は老師の円月殺法を見破ることができるだろうか…。