拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

ジュネーブの隠し味(1)

 パウロと働く。31才離婚歴あり、現在恋人と同居で失業中。10歳になる娘は元妻と住んでいて、これまで9年間毎月500フラン(52000円)養育費を払い、彼女が学校が終わる18才頃まで払い続けなければならない。・・・そうだ。去年ぐらいからボツボツと顔を見せ暮れあたりからレギュラーメンバーとして我々と働く機会がふえている。今年は彼が主要戦力となってくれそうだ。最初彼をみたとき40歳ぐらいかと思っていたらまだなんと、31才だという。何でも良く知ってるし、ユーモアのある落ち着いた雰囲気、それとなんといっても、どんなことがあっても感情に起伏のない、常にパウロである・・ところが、大人だ。
 
 ただ少し驚いたのが、彼のお父さんがボクと同じ年齢で今年58才になる・・・という。そのお父さんは10年ほど前に脳腫瘍ができて、働けないそうだ。5歳年下の妹がいるそうだが、パウロはいいお兄さんに違いない。 

 そう、彼は <いいお兄さん>の雰囲気なのだ。ボクよりうんと年下なのに彼にはボクもそんな感じを持つ。

1992年、14歳の時ポルトガルから来ていろいろ苦労しただろうが、人間としての暖か味を失わずに見事に成長・・といった感じ、どこか人見知りのするジュネーブの雰囲気も彼みたいな人間の存在が隠し味となっている事は間違いない。