拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

竹ちゃん、行ってらっしゃい

朝、通勤電車に乗ろうとしたら、1ヶ月の予定で帰国するわが友夫婦がおおきなスーツケースを持って立っていた。前日までいろいろな準備で徹夜をしていたらしく、くたびれてはいるが、それでも嬉しさがにじみ出ていた。最後に帰ったのが5,6年前であれば確かに…

桜よ

昼休み、仕事に一段落つけて外に出ると予報に反して小春びより、新人の皿包嬢モモちゃんが<うわっ、桜!>というからそちらを観たら桜とは似ても似つかない寂しげな淡白い花をつけた痩せ木が歩道に植えられていた。モモちゃんにそう言わせたのは春の明るい…

秋までサマータイム

今日からサマータイム! 我がアパート内に10個ある時計の針を一時間進める。こうなると、やたらに陽がのびる。多分夜7時でも明るいだろう。夏なんかは10時でも明るい。それが良いのか?悪いのか?兎に角、照明代金は確かに節約できる。 散歩に行こうとバス停…

・・・無口なガイド

約12年間のガイド時代中、一度言ってみたかった自己紹介のセリフ(皆様こんにちは、無口なガイド、写楽斎です!) ・・・しかし、これは実現しなかった。小心者のボクにはこのセリフはチョット・・・。 ガイドをする直前までボクは日本の寺で毎月行なわれる…

自己性格分析官のつぶやき= プッシ−キャット

どしゃ降りの中、トロチネット(キックボード)をとばしてずぶ濡れ。それでも春かと思えばゆるせた。 自己性格分析官になってまだ日が浅い。自己分析するほど年をとったということか?或いは自分もそれなりに進化しているのか? ここローザンヌはプッシーキ…

黒ずくめの紳士

昼食のレストランで、生まれて初めてかの煙突掃除夫を見た。 彼らは二人で僕等の席の前に座って食事をしていた。黒ずくめの服、はじめに目が行ったのが手で、ずいぶん真っ黒に汚れているので物知りの日本人女性Hに、見てみなよ、後ろの男の手、まっくろだよ…

ニコラの誕生日

今夜我々夫婦は若いカップル、マリカとニコラにニコラの34回目の誕生日祝いに、近くのイタリアンレストランに招かれた。おめでとう!!そして招いてくれてありがとう!。 ニコラは1976年生まれで、ボクは24才だった。そういう理由もあったのかと、今日そのわ…

ジュネーブの隠し味(1)

パウロと働く。31才離婚歴あり、現在恋人と同居で失業中。10歳になる娘は元妻と住んでいて、これまで9年間毎月500フラン(52000円)養育費を払い、彼女が学校が終わる18才頃まで払い続けなければならない。・・・そうだ。去年ぐらいからボツボツと顔を見せ暮…

きれいなサラダが

ニコルの風邪も良くなり、今日は彼女は半ドンだったので、夕食を作って待っていた。ニコル風チャーハンに盛り付けのきれいなサラダを美味しくいただく。何だか突然感謝を感じて、按摩師のカミさんの幸福を味あわせてあげた。昔はよく按摩をしてあげていたけ…

ある曇の日曜日に

今日も完全に、映画日和。昨日の映画にフラストレーションがあったので良く選んで出かける。 しかし朝は久しぶりにレマン湖畔を散歩。曇り空ながら湖の広々した眺めに、一息ほっとする。 ニコルのお母さんとコーヒーをいただく。彼女の5月の80回目の誕生日に…

<間>の世界がより不思議

これまでの晴れ天気から一転して雲盛りもり。ニコルの風邪もまだ完全には治っていず。 これは映画日和だわい、とほんの少し躊躇しながらも<不思議の国のアリス>を見に行く。ジョニー・デップとティム・バートンの映画はこれまで見て、どうもボクと相性が良…

我らが戦力たち−1

乞食は三日やったらやめられない・・・という言葉があるが、同様に引越し稼業(海外)もやった人でないとその面白さはわからない・・・(儲けのことは自分は知らないし、関係ない)。根っから人間観察好きのボクにすると、これほど様々な観点から人を観察出…

ホコリ多い仕事

本日は晴天なり、しかも気温が16度もあったようだ。 今週あたりからボクのお仕事は忙しくなる。ホコリ多い仕事と、言葉を濁していたが、早い話<引越し屋>であるのだ。それも西瑞と日本の間の引越し。つまり海外引越し。それだから新年度がはじまる4月に合…

軍歌<同期の桜>を聞いて

夕食後テレビチャンネルを回していたら、日本語がチラリと聞こえた。それはアメリカ育ちの日本人女性が自分の叔父が神風特攻隊で亡くなったことに興味を持ち、この神風特攻隊についてドキュメントした番組だった。 考えてみると、ボクの子供の頃というか、大…

禅の別名<清貧の思想>

気がつけば春になっていた、感がなきにしもあらず。 この暮れからボクには珍しく病気三昧で、病気の時というのは周りのことになかなか気がいかないものだとつくづく思わせられた。 ボクの体調も良くなり、春を迎えた喜びをかみしめながら駅から20分ぐらいの…

国境なき丸メガネの男

昨日の山越えの物語はボクにとってすでに遥か昔のことのように思っていたのに、彼女が土産にくれた手作り納豆の味がたちまちボクを現実に引き戻した。 それにあの旦那はどうなんだ、一見して懐かしい気を起こさせる風貌は・・・。スイス人の旦那をイメージし…

ジュラの山越え

時間にして、わが街ローザンヌから電車を3回乗り換えて2時間ばかりの山の中の田舎への旅?で日本人女性の奥さんとスイス人の旦那のカップルの家に招かれて、楽しいひと時を過ごした。 しかし、何もかも違う生活スタイルに、帰りの電車に乗り込んだ時には、一…

ボクのもう一つの旅

友の一人はまた、日本に帰るというし、別の友はタイを旅行してきたという。 ボクもまた今、ブリューゲルの絵の世界を中野孝次と共に旅をしているところだ。そしてこの旅は本当に充実していて、ボクの幾つもの謎とも思っていなかった謎に光を照らし、写真家と…

春眠暁を覚えず・・・西瑞にて

仕事の往復に45分ほどの電車通勤をしている。 この時間はボクの貴重な読書時間で大抵本に眼を落としている。でもこの頃、朝も7時半頃には薄明かりがあり、モンブラン方面の山々が遠くにそのシルエットを見渡せ、手前のレマン湖も空の薄明かりを静かに映して…

映画小僧だったボク

<ブリューゲルへの旅>の現実という章にブリューゲルの<猿>と題した絵が印刷されているページに中野さんは二十歳の時、二等兵だったときの暗い体験を、この繋がれた二匹の<猿>に託してその心情を吐露している。ここを読んでいて、その絵を見ると、何だ…

名著<ブリューゲルへの旅>の再読中

先日予告したように、中野孝次さんの初期のエッセイ<ブリューゲルへの旅>を再読または再再読?し始めた。何故か、今回は頭にスーッと入る。というか、前回(何時だったか憶えてないくらい前)はぜんぜん解ってなかったことがわかった。なぜだろう、頭がよ…

昨日は<婦人の日>

昨日、国際婦人デーだったそうで、家に帰るとニコルは開口一番、<きょう、スッゴイいい事があったのよ!>とフランス語でいうから何かと思ったら。 彼女のブロクはフランスの新聞ル・モンドを借りているんだけれど、国際婦人デーにちなんで、ル・モンドのス…

編集するには、それが解っていることが前提

眼からウロコの本<花鳥風月の科学> 松岡正剛著の <夢>の章のある文章を読んで・・・なるほど!と思ったことがあった。 ボクが撮る写真、意識的であれ無意識であれ瞬間的に撮ったり、撮らされたりする写真にはボクの潜在的な欲求の断片<夢>で、いつの日…

永遠なる音響の中で

日曜の夕方、陽も沈んで夜が始まる。バッハのパイプオルガンを聞きながらこれを書いている。 ボクの数少ない按摩の客、日本人Kさんが昨日きて、帰りに彼女のCDをプレゼントしてくれた。<Bach Organ Masterworks>というタイトル。以前にも彼女のCD3枚組をい…

貧乏人のメリットとは・・・

Sally Manne写真展(ローザンヌ・エリゼ写真美術館)へ行ってきた。彼女はボクと同世代のアメリカの写真家、8X10で風景や、彼女の3人の子供たちをテーマに撮った写真はなかなかいい。それと面白かったのは、<Body Farm >で彼女が撮った死体のシリーズ。…

ブリューゲルにバルチュウス

今日仕事をしていてお客さんと話をしていた。初老の人のいい夫婦でジュネーブのアパートでおとなしいが家で飼うには結構大きい犬のアイシャーと住んでいる。彼らはここに来る前までウイーンに住んでいたそうで、どちらがすきですか?と聞くと、旦那さんはウ…

通過儀礼−2

この言葉を真剣に考えたのは、去年<Good−by New York>というタイトルでまとめた自分の1985年の作品ができてからだ。自分のニューヨークの写真でありながら、ほとんど撮った時の記憶がない作品群なのだ。特に何を撮ろうという目的などもなく、行き当たりば…

通過儀礼−1

少し気になっている言葉に、<通過儀礼>がある。 ボクにもこれまでの人生でいくつかこういうものがあったのだろう・・・例えば、小学校の入学式とかいうたぐいの儀式。でも高校を卒業してからは、とんとそうゆう儀式的な通過儀礼と呼べるものは無かったよう…

あっぱれ!

西瑞では、毎朝駅やバス停に無料の新聞<20Mimutes>20分というタイトルの新聞が置いてあってほとんどの人が電車やバスの中でそれを読んでいる。 ボクも読者のひとりで、今日の新聞にボクは気に入った記事があった。それは2006年のサッカーワールドカップの…

西瑞・三寒四温

その<花猫風月>の写真をまとめるにあたり、肝心な花鳥風月について自分は何も知らないと自覚していたので、松岡正剛さんの<花鳥風月の科学>をアマゾンでとりよせて読んだけれど、チンプンカンプンであったのが、この程再読してみるとどういう訳か頭にス…