拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

・・・無口なガイド

 約12年間のガイド時代中、一度言ってみたかった自己紹介のセリフ(皆様こんにちは、無口なガイド、写楽斎です!)

 ・・・しかし、これは実現しなかった。小心者のボクにはこのセリフはチョット・・・。

 ガイドをする直前までボクは日本の寺で毎月行なわれる集中修行<摂心>を中心に、4,5年禅の修行をしていて、ニコルと話す意外はほとんど誰とも(・・・と言いたいところだが、バイトの深夜電話での応対は別として)話さない、実に無口な日々をおくっていた。

 それが西瑞に来て生活のためとはいえ、大勢の人を前にしてマイクを持つ自分を一体誰が想像しただろうか。

 幸か不幸か、スイスではガイド試験というのはなく、誰でも雇ってもれえれば即ガイドとして働けるので、ボクも最初はカンニングペーパーを見ながら必死にガイドをしていたが、その当時のお客さんには気の毒なことをしたと思う。ある時、先輩女性ガイド(フランス人)のバスに乗せてもらい、彼女のガイディングに眼を開かれた。とにかく面白くて、楽しいのだ。ボクはこれだ!と思って楽しいガイディングを心がけることにした。

 旅行客は普段よりも倍以上テンションがあがっているもので、ガイドはそれに同調してテンションをあげるのはステージにあがるタレントと何ら変わらない。だから終わると結構疲れを覚えた。

 今日のスイステレビニユースで、中国人グループ何百人単位でジュネーブを訪れたことがニュースになった。どこかの化粧品会社のトップ・セールスマンのグループだそうで、10年、20年前には同様な理由で日本人グループが大挙してやってきては何故かWHOを訪れた、時代が変わり中国人の時代が来たわけだ。受け入れる地元スイス人にとっては大事な観光客と歓迎している様子。