拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

永遠なる音響の中で

 日曜の夕方、陽も沈んで夜が始まる。バッハのパイプオルガンを聞きながらこれを書いている。

 ボクの数少ない按摩の客、日本人Kさんが昨日きて、帰りに彼女のCDをプレゼントしてくれた。<Bach Organ Masterworks>というタイトル。以前にも彼女のCD3枚組をいただいている。(馬の耳に念仏、猫に小判・・・のような気も)

 彼女は筋金入りのパイプオルガニストである・・と思わせられたのは2年前ドイツやらフランス、スイスなどなど有名なパイプオルガンのある教会へ録音スタッフとでかけ夜中の静かな時間をねらって録音、しかも秋から冬にかけての時期でしばしば教会内は暖房もなく手もかじかんでしまうくらい寒いところでの録音が続き、手の指先から腕にかけて痛みや、突張感があった時期も、医者やボクみたいなところで注射、マッサージなどしてCDを完成させた・・・という事情があったからである。 年齢もボクよりちょつとお姉さんでまあ、若いとは言えない年齢。彼女の謙虚な姿勢からは想像ができない音楽にかける執念には凄いものがある。彼女の生活のすべてが彼女の音楽、パイプオルガンの演奏に捧げられているといえる。

 ボクのごく身近な人にそんな人がそういるわけでもないので、全く脱帽。自分のいい加減な生き方については、とっくに諦めてはいるものの、荘厳なパイプオルガンの音響の中で懺悔と同時に浄化する魂を感じつつ。