拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

レマン湖に雲の蓋(ふた)

 今日一日とても寒い日。どんよりと曇っているのは、このあたりの冬のあり方。レマン湖の上に雲の蓋状に低い雲が垂れ込めている事が冬は多い。だから高いところに行けば太陽が輝いているので、スキーに行く人が結構いるわけでもある。

 ボクは道産子だから、スキーもうまいのだが、中学生のときスピードスケートの選手だったので少しずつスキーから離れていった。せっかくスイスに住んでいるのだからスキーにいったらいいのにと思うであろうが、ナマケモノの写楽斎としはとてもじゃないがいく気になれぬ。猫のように家でヌクヌクしているのが一番良い。

 10年程前までツアーガイドをしていたが、お客さんに聞かれるのが、(やっぱり山がすきでスイスにきたんですか?)という質問である。どう見てもボクは山男に見えるらしい。お客の夢を壊すようで悪いと思ったが、正直に小指を立てて
(イヤ、これでスイスに来てしまいました。)お客は例外なく,驚愕していた。ボクはどんなに小さくても都市でなくては住めない,シチーボーイなんです。生まれた北海道の町は別として,神戸,東京,ニューヨーク,ローザンヌと洗練された街を無意識に選んでしまっているようなのだ。

 ボクの様な田舎者が何故そんなに都市志向なのか?というと、その中核には多分<映画>があるような気がする。
映画好き=人間好き・・・という定義はほとんど間違いない様な気がする。そしてそれは写真との出会いでボクの場合決定的となり、人間観察園とも言うべき都市に結びついていった。

 この小都市,ローザンヌでボクら夫婦は冬の名物、チーズフォンヂュを食べに行った。