拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

<無事是貴人>

 昔,居士林で禅の修行をしていた時,老師が時折よく頑張っている者に禅語を書いた短冊を与えていた。ボクも何度か戴いたが、〈無事是貴人〉と書いてあるのを2,3回頂いては、ちょっとガッカリしたりしていた。

 その頃は,この意味がわかっていなかったので、この無事是貴人というのが、なんか地味な感じがして、もっとカッコイイ短冊くれないかなあー・・なんて思っていて、この短冊を人にやってしまった。この言葉は禅宗、臨済宗の宗祖・臨済さんが言った言葉で <無事とは:救いを外や他に求めない心で、そういう心を持つ人を貴い人>・・というような意味だそうだ。

 いまボクの一番好きな禅語の一つがこの〈無事是貴人〉であるが、残念ながら老師から戴いた短冊は一枚もない。

 今日、例の人間スキャナーのフイルムを頂き(といっても金を払っているわけだが)説明して貰った所によると、坐骨神経痛として脊椎ならびに椎間板には特に異常は無いということであった。

 自分自身の脊髄の水平、垂直断面フォトを初めて見たとき、ボクのこの体の中にもちゃんと神経とか脊髄とかあって、それが健気に頑張っているのだなあ−・・・と感心。

 この人間・スキャナーを短冊として床の間に飾って<無事是貴人>、というのも面白いアイディア。