拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

西瑞の厳しい北壁を超えろ

 西瑞について・・・みたいなことは、ガイドだったときによく考えたものだが、最近はそんな問いも浮かばないくらいこちらの日常に埋没しているからだろうか。

 オリンピックでメダリストのインタビューがあって、その選手がスイスドイツ語で話たりすると、アレッ・・と肩すかしされたような・・・とまでは大袈裟ではなくても、西瑞という国の特殊性を図らずも認識させられる瞬間だ。

 九州の大きさの国の中に60%スイスドイツ語、30%フランス語、10%イタリア語とあり、ふだんはこの言葉の壁にすっかり取り囲まれてしまっているので、壁があることすら忘れている。スイスフランス語圏の人達はなんの違和感もなくフランスのテレビ番組を見て、ドイツの番組、イタリアの番組、その他、スペインとか英語の番組も見ることができるが、見ている人はほとんどいないだろう。 この言葉の違いは文化の違いでもあり、服装やヘヤースタイル、好みの色なども、じつに違うということが、たまに見るドイツ、イタリアのテレビ番組を見て感じる。特に言葉を介しての音楽などはこの見えない言葉の壁に阻まれているのは確かだ。(ボクなんかはドイツ語の歌手を一人も知らない。)

 おそらく西瑞はこの弱点が逆に利点となるべく、水面下ではあらゆる努力がなされているのだと思う。こんな小国がEU諸国に取り囲まれて、孤立せずにやっていく為にはそれぞれの言語圏が背水の陣的意識を持って協力体制を持たなければ出来るものではないはずだ。

 スイスの選手が何語で返答しようと、西瑞人は自国の特異性と多様性をふくめて自国の英雄を誇りに思うのだろう。

 日本でも人気のあるスイスフランス語のフィギュアスケート選手、ステファン・ランビエルが5位のショートから明日のフリーで何位まで浮上するのか楽しみだ。