拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

必殺・取扱人

 ボクは通常,(海外)引越し屋として大概外で働いているが,引越しがない時は、空港に隣接している税関のある航空荷物発着場で荷物取り扱い人としても働いていて,最近はそれ専門で働いている男どもとも少しずつ仲間意識が芽生えてきつつある。
荷物を引っ張る仕事はどこか男の世界みたいなところがあって,一見荒々しい雰囲気がするようで案外,皆むしろ優しい野郎どもばかりだ。ここばかりは西洋です・・と気取っていられる場所じゃないし、実際こいつら弥次喜多そのままじゃないか・・・と思わせる味のある人間が多い。

 荷物を取り扱っていると、困った状況に出会うことも少なくない。そんな時に周りの連中が頼みもしないのに助けてくれたりする。だから皆お互い様と思っているようで、ちょっと手助けするとそれが切っ掛けで声をかけ合うようになる。

 数年前に辞めたボクの先輩の日本人がここの弥次さんに<オ0コ>という言葉を教えたため,ボクの顔を見るたびに、
<今晩,オ0コね>と挨拶する。その弥次さんが、お前のところに丈夫なテープあったら一本くれないかぁ、と頼むのですぐ都合をつけてやると、これ持ってけよ,と言ってアフリカ産の夏みかんを2個くれたので、そのうちの一個をさっき
頼みもしないのに,ボクの探している荷物を、運転手があの辺に置いていったぞ,と教えてくれたオヤジにやった。