拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

アルプスのハイ・ジジイ写楽斎

 電車、バス、ロープウエイを乗り継ぎ3時間かけて Saas Grundの上、Triftalpという所に着く。朝6時45分の電車にのりヴァレー州の山で闘牛があるというので出かけてきた。標高は2,500m程のところ。

 この6月下旬は、スイスではInalpeの時期で、冬の間標高の低いところで暮らしていた牛たちをこの時期から9月下旬ぐらいまでアルプ(標高の高いところで牧草のあるところ)まで連れて行き、牧夫も交代で山の生活をしてチーズなどを秋まで作る。闘牛をする牛は黒い牛だけ。茶色っぽい牛は戦わないのだ。

 その年中行事である Inalpe の時、土地の人が主催して山の上での牧草地での闘牛を見せてくれる日。

 闘牛は何回もこれまで見てきたが、山の牧草地でより自然なかたちでの闘牛は見たことが無かったので、今回は是非と思い出かけたわけだ。やまはガイドしているとき以来久びさで、やはり高いところへ上がるだけでも体は疲労することを改めて実感。
闘牛じたいは、本当に素朴でべつに順位付けもないし,ただ野放しにして勝手に戦うに任せるといったやり方で、トーナメント戦でやる地上で催される闘牛とはだいぶ雰囲気が違い、のんびりしている一方,戦いだすと斜面を勢いよく下る場面などはかなり迫力があった。一時間ほど見て牛たちも何回いか戦った後は疲れた様子でのんびり草を食べ始めたので,山を降りてきた。これを見るためにわざわざ来た人もいるようだが,殆どはハイキングを兼ねて見にきたハイカーで、年配の人がたくさん目についた。

今日も暑い日で,帰り冷房のない車両はちょっときつかった。

普段、小都会に生活していると忘れているが、わずか2,3時間でハイジの世界に来てみて、あぁ、俺はスイスにいるんだなぁ・・・の実感。