拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

エリゼ写真美術館 Re-generation2

 我がローザンヌが誇る写真美術館エリゼは今年25周年をむかえるそうだ。

 その記念展示会が今行われていてボクはニコルを伴って見に行ってきた。

 テーマは<Regeneration2>新世代・・・という意味で、これは単に展示のタイトルではなく、 今回新たに選任された30代の若き館長サム・ストールゼの感慨をも込められていることは明らかだ。・・・と勝手に思ったらまったく違ってここまでは以前の館長William A.Ewingの仕事だった。この展示をするにあたり、コンクールの形式で120の写真学校に応募の声をかけた結果、30カ国、85人の写真家の参加をえられた。

 21世紀に向けて、若者たちは何をどう見ているのか・・・。伝統をどう捉えているのか?いないのか?などなどの問に対する答を求めてこのテーマを決めたようだ。

 しかし、ボクが見た限りでは、真新しい且つ生き生きとしたような視点は無かったように思う。作品の90%に虚無的な雰囲気が纏わり付いている。が、それは昔からよくあるレベルの低い写真分野の一端を担っている作品群だ。

<虚無的>ということを、若者たちが現代に感じていることであるというのだろうか。デジタル化して作品の色彩が鮮やかであるほど虚無感が強調され、人間不在感がつのり、共感とか感動とかの表現が時代遅れであるかの如く、無視されている。  
  しかし、それは前にも行ったように昔からよくある表現、思わせぶり、神秘化、といった作家としての明確な視点を持たない、モテない者の行き着く<虚無的な何か>なのである。