拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

足にマニキュアを塗る女

 気温が急落して体がだるい・・・こんな時は近場で良いものを・・・と徒歩で行けるヘルミタージュ美術館へ行き
<エドワード・ホッパー展>を見る。沢山の人が来ていた。と云っても日本のようなことはない。充分余裕を持って鑑賞することが出来た。 この画家については簡単な履歴を下記に。

[エドワード・ホッパー 1882年07月22日〜1967年05月15日
アメリカの画家。アメリカの日常風景の孤独感や倦怠感を情感豊かに描いた。
1882年ニューヨーク近郊ナイアックに生まれる。ニューヨーク美術学校卒業後、広告代理店に務めてイラストレーターとして生計を立てた。版画やエッチングで注目を集めるようになるとイラストレータを辞めて、42歳にして画家の道に専念した。

 彼の絵はこれまで本屋とかで眼にしていた、だから彼の大きなポスターを見ても違和感が無かった。アメリカ的雰囲気を全面に出す彼の絵をここヨーロッパで,しかもこのエルミタージュ館は元はスイスの貴族の館でヨーロッパ丸出しの屋敷で、<アメリカ>を見るのも一興であった。

 あとでネットで調べると,彼と映画は互いに影響を与え合ってきたという。ホッパーは映画から影響を受け,彼の絵が様々な映画監督に影響を与えた。<アメリカの日常風景の孤独感や倦怠感を情感豊かに描いた。>・・・ということで、それらの絵は確かに映画や芝居の一場面を想起させるものだ。絵に登場する女性は奥さんがモデルになっているという。
 
彼の最後となった絵は<二人のコメディアン>ステージの上から男女ふたりの役者が客席に向かってお辞儀をしている場面・・・の絵でこれは彼ら夫婦が世に向かって最後の挨拶をしている図であると見做されている、これをみた時,ボクは<お見事!!!>と拍手喝采を心のなかで彼らに送った。

 そういえば,ボクも普段事あるごとに自分の妻をモデルに写真をとっている。昨日の夜はニコルが初めて足にマネキュアを塗って,その足をソファに寝そべって扇子で扇いで乾かしている図であるが・・・彼女は何をしてもコミカルになってしまい、どうもホッパー風の渋い雰囲気にはほど遠いのだ。