拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

<不立文字>な秋

 今、こんど11月に行うグループ展に出品する作品を準備。シリーズKanji Worldよりタイトルは<不立文字>。我妻ニコルの日常を切り撮ったものから6点をえらんだ。

 場所はなんと、国連旧館のでかい廊下。国連でやるというと、凄い・・・という人がいるが、実態はそうでもない。第一、入館にいちいちパスポートコントロールがあるし、わざわざ来てくれる人でないと、面倒でなかなかこれない。それでもジュネーブ領事館が毎年秋に行う、日本文化月間のプログラムにはいっているので、熱心な日本ファンの外国人が来てくれるかも。
 こちらに長く住んでいると、日本のよさが(悪さが)よく見えてくる・・と以前書いたような気がするが、禅を多少かじった者として自分の作品にそれを活かせないか、思考錯誤の末、猫を撮った<花猫風月>そして第二弾の<不立文字>にいたった。ただ、展示場所が国連だけに、あまり宗教色(ここでは仏教)を出すわけに行かず、あくまで日本文化として提示出来るような選択をしたつもり。

 6点各写真に小タイトルをつけたが、どれも禅語である。どれも好きな言葉でありながら、不立文字(言葉や文字では表現できない)・・・的、深い意味があるかどうかは、写真を見て判断してもらうしか無い。

 最近、再び坐りだした。その大切さに痛感する日々。トフラーの第三の波とかにここのところ注目していたが、一方で波を静めたうえで観る風景も必ず必要であると認識。波に目を奪われている我々は、命の本質を見失ってはいけない。