拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

雪のローザンヌ

 
 今日12月1日は、スイスフランス語圏にとって記録的降雪の日となった。

 昨日の夜からシンシンと降り積もった雪が、バルコニーの花壇に30センチの高さに、こんもりと積り、何もかも真っ白く柔らかそうに覆っていた。ニコルは何年かぶりの大雪にはしゃいで1ヶ月前に買った背丈が20センチの瀬戸物の狸を花壇の前に配置して、雪を見て眼を丸くしている狸とその白一色の背景を写真に収めていた。

 今年はボクにとって国際病気年・・・と言ってよい病気三昧のとしであったが、2,3日前から風邪を引いてしまい夜布団に横になると咳が絶え間なくでてくたびれ気味、幸い今日は残業の貯金で休暇を取ったので、この大雪を見てもびくともしなかったが、妻に尻を叩かれて、担当医に見てもらう。

 去年の今頃は坐骨神経痛で騒いていた時期であった。この12月を何とかうまく乗りこなし、年の変わる2011年に期待したい。

 先週の土曜日、四日前は初雪の日で、この日人形師のノリコ観音が遊びに来た。というか、彼女の布と絵の具で書いた抽象画を先日の彼女の個展で買い、それを自ら持って来てくれたのだ。その時、ローザンヌでもなかなか面白いとボクが唾を付けているギャラリー<Humus>ウムスにまず案内した。彼女はローザンヌから電車で一時間のビエンヌに住んでいるので、ローザンヌを良く知らない。

 ウムスでやっていた個展はどこかエイリアンのガイガーを思わせる立体像。例えばワニの顎が人間の尻から伸びている・・といった感じ。下の階では同じ彼の作品でもメカニックな生物像で歯車とか鋲とか一見どう見てもメタルでるが、そうではなく全て陶器で、焼いてあるものであった。

 ノリコ観音はボクと違い、このようなものは気持ち悪い・・・と評価が悪かったが、その作品の完成度には一目おいたようだ。その後、我が家に行き、ニコルと3人でお茶を飲んでは色々なことに話が咲いた。夕方になっても雪は止まず、恐れた彼女は夕食も食べずに帰ってしまった。