ジレンマ夫婦
昨日の夜、ボクは名づけて “ジレンマ夫婦” と称する日本人夫婦とスカイプした。
彼らの立場はボクが彼らと知り合ってから常に “ジレンマ” 状態にある。
旦那はプロのバトミントン選手でスイスに来る前はマレーシアでプレーしていた。そこで数年過ごしたある日、スイスでよいプレヤーを探しているという話を耳にしたのが動機で、奥さんと来瑞したわけだ。
2年ほど前、バトミントンの友達ローレンスから日本人コーチ兼プレヤーを雇ったけれど言葉が通じず困っているクラブのオーナーがいるので、会って助けてくれないか?・・という電話を貰ったのがキッカケでこの夫婦に出逢った。
二人の年齢は30代なかば、フランス語がぜんぜん出来ないけど、バトミントンラケット一本でなんとかなるだろう・・・という甘い考えでやってきたようだ。
一年程、フランス語圏で子供たちにバトミントンを教えていたが、一年間の労働ビザが切れると同時にそのクラブから解雇された、やはり言葉の問題が壁となった。しかし二人は帰るつもりはなく、何とかスイスに滞在出来ないものかといろいろ探した結果、スイスドイツ圏のクラブに仕事を見つけた。奥さんはそれまでローザンヌの日本食品の店にバイトを見つけてようやくフランス語に慣れたところなのに・・・。
去年の8月フランス語圏からドイツ語圏へ移動した彼らと昨夜久々にスカイプした。話を聞くと以前にもまして様々な問題に対面しているようだ。
まずビザ問題、この7月に今のビザが切れた場合、再びビザが発行されるかどうか微妙な状態であること。
そして、言葉の問題、いま二人とも懸命にドイツ語を学んでいるが、一歩語学学校から出るとそこで使われている言葉は本場ドイツ語とは似ても似つかぬスイスドイツ語なのだ。かと云って、スイスドイツ語を学んでも数年後にそれ以外の国に移住したとき方言のスイスドイツ語では?・・。そして、そろそろ子供を作りたいが子どもがスイスドイツ語しか話せなくなったらどうしよう!!という心配。旦那の銀歯三本がグラってきて、治療を受けたいが、スイスは歯に対して保険がきかないからばか高く、日本に帰ったとき治療をするべきかどうか。などなどのジレンマの谷間をまっしぐらに突っ走っている夫婦なのだ。
それほどまでしてスイスに住む理由があるのだろうか・・・などとボクは思考した。