拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

野性のケテバン

 ニコルの友達の娘ケテバン10歳の誕生日にまねかれた。(誕生日は1月26日であった)
ボク等の周辺にはじつに多様な人種が暮らしているが、ケテバンの両親の血の組み合わせも珍種?だ。ハンガリー系の母にグルジア人の若い父親で、スクウェアな感じのスイス人と比べると彼等のワイルドな生き方はボクにはジプシーを思わせずにいられない。

 ボクらがいつも通る商店街の3階に彼等のアパートがあり、外観からは想像もつかないワイルドなアパートなのだ。まるで映画のセット裏に入り込んだような、潔癖スイスからいきなりハンガリーかどこかのジプシーの家に迷い込んだような不思議な感覚におちいる。

 4年前に初めて彼等のアパートに招かれたとき、明らかにスイスとは全く違う雰囲気に驚きつつ、当時まだ6歳だった彼等の娘ケテバンのワイルドな風貌にひかれて、彼女の写真を撮りたい、撮り続けたい・・・なぁ〜と思いながら今日まで来てしまって、今日の彼女の誕生日を機会に撮り続けようと勝手に決めた夜となった。

 ふだん幼い時期から生命の調教されきった人間ばかり見ていると、少しは野性を残している生命に出会うとその力強い輝きからどうゆう人間が出来上がるのか見つめることが写楽斎の楽しみなのだ。

 彼女の乳母的存在が、オランダの魔女ティナおばさんだから一層の期待が持てるというもの。