拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

スイスで豆まき

 先々週たまたま読んだ三浦哲郎さんのエッセイ集に節分の豆まきの話がのっていて、ああ、これだ!・・・とおもって、これを今年は是非やってみたい・・・と思ってしまった。
 大昔、自分が子供の時やったような記憶がかすかにある。母は江戸っ子だから節分の豆撒きの習慣があったのだと思う。

 なにせ北海道は屯田兵が開拓した土地、本州のいろいろな地方から移住した人々が作った土地で伝統文化と呼べるものがなく、ほそぼそとそれぞれの故郷の祭りや習慣を取り入れて、遠く離れた故郷を思ったのだろうか。
 今の自分のように。

 こちらスイスには、なんかこんな雰囲気の行事がないんだよね。(もっと田舎に行くと街の広場に組まれた舞台の上から人の頭くらいのある大きなパンを群衆に撒き散らす祭りを見たことがあり、節分を思わせた。)

 ジュネーブの日本食品の店から炒り豆を買って、ニコルにさあ、豆まきをやるぞッ!というとニコルは大喜びして一緒にまいてくれた。「鬼は〜そと! 福は〜うち!!」。スイスに来て20年になるが初めて豆をまいた。

 暗くなった外に窓を開けて、鬼には出ていってもらい、福に入ってきてもたった。