拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

2011年 様々な選択・Shi

 今読んでいる ジョン・グリシャムの 小説<法律事務所>が ほぼ終りに近づき 一抹の寂しさ と ともに

 目の前を過ぎる 溌剌としたスイスの学生らを 見ながら この小説に描かれている世界 そのものが このスイスとい

 う国に ピッタリそのまま あてはまる・・・のでは と ふと考えてしまった。

 大学をトップの成績で卒業した青年が 数ある法律事務所の勧誘から選び出した事務所が よりによってマフィアの

 手先としてマネーロンダリングを 業務としていることが 少しずつわかってくる・・・というストーリー。

 信じられない待遇、報酬、上司や先輩の隙のない身だしなみ 贅を尽くした調度品 庭付きの家があって

 よく刈り込まれた芝生 に犬が子供たちと戯れているのを そばで 幸福そうな夫婦が ティーを飲みながら・・・。

 どこから見ても幸福を絵に描いたようなスイスの風景も 例のスイス銀行の おかげ、 大戦中ユダヤ人から 預かった

 お金の おかげ  中立という名のもとで 戦争もせず 対立する両方からの 利益の おかげ・・・。

 意地の悪い見方をすれば そう見えるし 事実 そうゆうことがあったからこそ 資源の無い 四国ほどの小さな国

 が ここまで これた といえる。 言葉を変えて言えば 保身術の 高度に発達した国の 国民性は 石橋を

 叩いたぐらいでは 絶対に 渡らない 用心深い 何から何まで保険が ないと安心できない。 

 そういう延長上に スイス文化の一面があり、 その最先端の一つ に 合法的自殺 ? が認められていて 

 皆に看取られて 薬によって 眠る如く 死ぬことが スイスでは 出来るのだ。 2日前に スイスフランス語圏

 のテレビ番組 で 74歳の フランス人女性作家が 死にたい・・・と スイスにきて TVカメラを前にして

 死に至る コップに 3分の2 の薬を 飲み チョコレートを 2,3片 かじって 眠るように死んでいった。

 今 チュニジアに始まった 国民の怒りの 炎は エジプト アルジェリア リビアの カダフィ まで 燃え上が

 っているが 叡智の革命が 東西それぞれ 違う形で 古い概念からの 脱皮 を はじめている。