拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

   緑濃き

  小さな小児科院に勤めている相方も子供達のバカンスに伴って今週から2週間のバカンスに入った。
  それで、我々は今回で 4, 5回目になるフランス領のストラスブールへ2泊3日の旅にでかけた。
  そういえば、去年の夏もストラスブールへ行ったのだったが、そのことすらすっかり忘れていた。

  なにせ、ローザンヌから電車で2度乗り換えて、4時間足らずで行くことのできる、それでいて
  なんとなく、異国情緒豊かな、人口30万人足らずのこの街が我々は気に入っていたが、
  今回はなお一層好きになって帰ってきた気がする。

  フランスだから当然フランス語が通じて、旅をしていてもその点気が楽ということも大いにあるが
  程よい大きさの領土をセーヌ河の3分の1ほどの川が取り囲んでいる…という独特の地理のあり方も
  影響しているのであろう、人々がどこか充足感を漂わせている風に見えるのだ。
  また、まっ平らな土地柄で、自転車をスカートをなびかせて颯爽と行き交う様もなかなかなのだ。

  そうそう、ストラスブールを観光するに、最も地の利がいいホテルを我々は基点としていることも
  あらためて今回痛感したが、まさにどこに行くのにも徒歩で数分〜数十分で行けるホテルに泊まっていた
  ことも、猛暑(35度ぐらい?)の中、拠点のホテルに戻って涼をとってから再び出かけることができた。
 
  今回は観光名所へは特に行く気がなく、地図で見つけた大きなオランジェリー公園を訪ねたがストラスブールの象徴にも
  なっているコウノトリ…は初めて見たがちょっと丹頂鶴に似た趣のある鳥が長い脚を見せて優雅に飛んでいた。

  前回訪ねたとき、気に入った地区があって、今回ゆくとその街によく似合った街路樹の存在が気になって道行く人々
  や、カフェのおばさん、植物に水を与える市の職員なども聞いたが、不思議なくらい誰も知らなく、
  いや、ただ一人勤めにゆく風体の三十代の男性が一言『チヨル・菩提樹』と迷いなく答えてくれたが、それは
  どうも信憑性がなく、いくらなんでも、我々でもチヨルだったらわかるよ・・・となって却下。
  どう見ても地元の老婆に聞いたら、知らない・・・という。どころか、木から落ちる種?だかなんだか知らないが
  地面に沢山緑色の何かが落ちているものをつくづくみながら、自分は花粉症だからこの樹木は『大嫌い』と言われて…。
  結局、帰宅してネットで調べると、それらしいのが『Sophora Japonia』とかいう木なんだけど・・・。

  その、緑の葉のところに、白く泡立ったような花かなんだかぼんぼり状のものが華やかさを醸し出してそれが、
  なんとなく、街にやさしい雰囲気を演出しているようで、ボクは非常に気に入ったもののひとつであった。

  街の人達は結構気さくな人々が多く、相方はいたるところで地元の人々と話が弾んでいたが、その中のひとりが教えてくれた
  一押しの美術館へ出かけたが、はたして彼のイラストは世界的に有名なひと『Tomi Ungerer』の作品を展示している美術館で
  とてもよかったのだ。

  

    川沿いの散歩で見かけた風景より