拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

 ブレッソン〜フランク〜ドアノー

 先週の土曜(6月9日)Versoixベルソワというジュネーブ州の小さな町にある美術館 Boléro にて
 フランスの超有名な写真家 ロベルト・ドアノーの写真展と 孫娘クレモンティン・ドルディル監督の映画『パリが愛した写真家ロベルト・ドアノー永遠の3秒』
 の映画と孫娘さんの講演会が催されるというので、相方を誘って吹っ飛んで行ってきた。

 これだけの規模の写真展と映画がいち市町村の町レベルの美術館で無料で催されることに、まずビックラ!

 それと、孫娘のクレモンティンさんの屈託のない人柄にまず惹かれた。
 実際ドアノーの作品に彼女自身も子供時代の写真に何度も登場しているが、ドアノーの人間愛に満ちた作品から伝わるDNAをこの孫娘が確かに引き継いで
 いるのだナ〜という勝手な嬉しい感想をいだいたりした。

 ボク自身の写真に多大な影響を与えた写真家というと、20歳のころ買った重森弘淹著 『世界の写真家』に紹介されていた
 アンリ・カルティエ=ブレッソンやロバート・フランクなどが自分に一番ピッタリくるカッコイイ写真家としてボクの目に写った思い出がある。
 この本の中にはたぶんドアノーは紹介されていなかったように思う・・・。
 ロベルト・ドアノーはこの二人に比べると活動範囲がパリに集中したどこかローカルなイメージが当時はあった。

 あのころから40年以上経ているが、基本的にボクの写真に対する嗜好はほとんど変わっていない、と思う。
 人間の素晴らしさを一枚の写真で表現できる・・・そこに最大の魅力があると思うが、
 ドアノーの作品こそまさにそれを感じさせてくれるものだ。

 先月5月の誕生日に、義母がボクにくれたプレゼントが彼女が持っていたロベルト・ドアノーの写真集であった。

 その最初のページにドアノーの言葉が記されていた・・・
 『もし、イメージにたずさわるのなら、それについて話すな、書くな、分析するな、質問に答えるな…』 ・・・むむむ、深いね!!

 それと、孫娘に誰かが同世代のアンリ・カルティエ=ブレッソンとの関係を聞いたが
 『とくに晩年は非常に仲が良く、よく話をしていました』、とのことであった。

  ドアノーの自写像、鋭い目つきの裏にメロメロの表情が隠されている。『小柄で照れ屋』というところが一撮と共通点か?

  ドアノーの写真はどこの家庭にも一枚はあるのではないだろうか
  名もない被写体が醸し出すほのぼの感…はなんとも言えないの図(ボクの机の上の棚にいつもある絵ハガキの写真)