特別公演 = Gala / 芝居とダンス
25歳になる友人の娘の誕生日のお祝いに、相方が前から予約していた劇場でのダンスを主体にした『Gala=特別公演』を3人で観てきた。
このGalaという演物(だしもの)は去年すでに行われ非常に評判が良かった…ということを後で知った。
この公演については、ボクは何にも知らずに出かけたのだが、それがかえって幸いし、最後に観客全員がスタンディングオベーションをするという
嬉しい体験に参加できた幸運を噛みしめることができた。
劇場にでかけて、こんなに笑うなんて初めてで、『Gala(特別公演)』というタイトルの深い仕掛けと観客、演者の心理の読みの的確さに
姿を見せなかった演出家へも多大なる賛辞の拍手がなりやまなかった。
13人の出演者には老若男女、7〜8歳の少年少女から20代〜60代のオッサン、おばさん等がマイケル・ジャクソンの音楽に合わせてムーンウォーク
の部分を舞台の左から右側まで一人ひとり思い思いのやり方で後ろ向きで歩いてゆく・・・というシーン
13人の中にはクラッシックバレエ・ダンサーの中年女性が一人、すこし色っぽい新体操選手、オカマの中年男性、踊りの下手な中年男性3人、女性2人
手足のやたら長い黒人のコンテンポラリーダンサー一人、車椅子の中年男性、それとダウン症で太り気味の若い女性らが、繰り広げるダンスシーン。
なかでも、傑作だったのは、誰かがソロダンスを一曲ずつおもいおもいに踊り、それをその他大勢が見よう見まねで踊り通す…という演物。
色っぽい新体操選手がバトンを高く放り投げて回転して受け取って踊る…なんていうのがあってその他大勢がバトンを落としまくって踊りに付いていく
凄かったのは、デブのダウン症の女の子のダンス! ロックに合わせて踊るんだけどリズム感といい、腰の振りっぷりといい抜群のダンスセンスで
口をヒョットコのように突き出してまさに一生懸命ダンスしているさまは神々(こうごう)しいほどであった。
ショート・ショートの演目はでかいカレンダ−の裏にマジックで書いてあっていちいちそれを演者が捲るのである。
そして、最後の異常に足の長い、背の高い黒人青年によるライザ・ミネリのニューヨーク・ニューヨークをその他大勢を率いて踊ったのであるが、
その迫力たるや・・・最後は黒いパンツの下着一枚残した姿にまで次々脱ぎ去った(したがってその他大勢もそれなりに脱ぎ去って)格好で
幕が降りるという演出に観客は喜びの頂点に達していたのであった・・・。