拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

復活の際

 <海辺のカフカ>村上春樹著を読了。だいたいわかったが、よく分からない部分も多々あって、まあ面白かった。

 親の運命に巻き込まれた15才の少年は、それから逃れ自己の人生を生きるべく道を探す旅に出る・・・みたいなところがメインテーマになっている。
 自分の道探しにこれだけの舞台装置が必要なのか?!と感心するほど奇想天外なシチュエーションが展開される。
まあ、しかしそれは象徴的な装置で、実際の話し人それぞれの道探しには、結構、事実は小説より奇なり的なものであると思うが。

 15才あたりからの、自分の道探し・・・といえば、誰でもが思い当たるテーマである、ましてボクのように生まれてすぐに母が病気になったり、父が蒸発したりして、姉は孤児院、ボクは他人の幾つもの家庭に預けられたようなシナリオだった者には共感出来る部分もいくらかあったにしても、宇宙人?が登場したりする必要があったろうか。

 夕方、ニコルの従姉妹夫婦が遊びに来た。旦那のジョンは刑務所で囚人に印刷技術を教える教官、従姉妹のダナは低学年で授業についていけない子供たちの為の教師をしている。この夫婦とは初めてあった時からあらゆる枠をとりはらったような気取りの無い関係で、今日も楽しい語らいの時を持てた。ジョンは趣味で養蜂しているが、持っていた3箱の内2箱の蜂が死んでしまったためにダメにったそうだ。原因は複数あって農薬、輸入した動植物、ビールス、その他いろいろあるらしい。彼らは3人息子があって29才の長男は美術学校、26才の次男は日本が大好きでこの秋に3ヶ月の予定で語学留学、3男は9月にアメリカへやはり語学留学する予定。ダナのお父さんは87才、車椅子が必要で、今年から施設にはいり、お母さんは85才背筋の伸びた、おばあさんに見えないおばあさんで、元気で一人暮らしをしているが、やはり一人娘(男兄弟は2人いる)のダナを頼りにしているので、ダナはストレスにさらされていると嘆いているとおり痩せっぽち。この夫婦は共働きでも、ギリギリの生活であるが、人間味のある人達。

 復活祭の連休も今日で終わり、ボクの周辺ではキリストの復活の話は一切でなかったものの、蜂がどんどん死んでしまう我々人間の環境というのはなにか不気味で、復活のための破壊がまず進んでいるのだろうか。