拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

社会的距離・考察

『社会的距離』…って、いま世界中で最も意識されている言葉。

大辞林によると: 個人と個人、個人と集団、集団と集団の間における親疎の程度。これが小さいほど親近感が強く、好意的な態度となる。

・・・というような、社会学的見解を披露しているが、今起きている事態はそれとはまた別物…。

3月になって猛威を奮っている新コロナウイルス感染はまさに想定外の事態を世界的規模でもたらし、沢山の人が感染して死亡している。

その感染拡大を止めようと、自宅待機を命じている国、そうでなくても無用な外出を慎むよう警告を出している国など様々だ。

食品の買い物などやむを得ない外出をする際は、他人との間の『社会的距離』を約2mを保つように…と言われ、実際これまで日常的に握手やキッスの挨拶を頻繁に交わしていたヨーロッパ人もはじめのうちは肘と肘をくっつけた挨拶が、いまやマスクをしたまま社会的距離をあけて一言二言交わす程度となった。

この『社会的距離』は簡単に言うと『間』ということになるが、日本語では我々『人間』と言う時、人+『間』という文字で言葉を形成している。

それくらい人間にとって大切なのが『間』であるとした時、

どこからやって来たのか知らないが、人間にはどうすることも出来ないウイルス感染という形で人間を襲ってくる現象は、世界中の人々に対して『間』を意識し、再考することを強要しているようだ。

人間が長い営みの中で、見出すことが出来た最も崇高な感覚『尊厳』…というものを基本とした時、その『尊厳』という一人ひとりが大切にしている『間』を踏みにじるばかりか、無視する現人間社会の風潮に対する自然の報復にように見えるのは、ボクだけではないだろう・・・。

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