拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

  写真の街・パリ

パリから帰ってきてもう一週間になるのに、まだパリを引きずっている自分が可笑しいが
このこだわりは…書かなくては。
パリへは何の計画もなく、ただただ、行きましょう…てな感じで出かけたにも関わらず、さすが『芸術のパリ』ちゃんと見所
を抑えてくれていた。
まずは、ジュネーブからのTGVの到着駅、ガールドリヨン駅から外に出た時、モノクロのでかい写真が6,7枚展示してあって
ピン!ときたら案の定、Irving・Penn(1917〜2009年)の大写真展をグラン・パレで催していた。

数年前、北斎展に入場するのに2時間ぐらい雨降る入り口の前で待たされたことを思い出しながら、今回はすんなりと入場。
それでも中は結構な人で肩越しか、横入りで拝見。
ペンさんはスタジオ撮影がメインのせいか、ボク好みのロバート・フランクやブレッソン、ドアノーなどのようなスナップからくる
スリリングな場面を切り撮る緊張感みたいなものに欠けるが、逆に落ち着いたなかでしっとりしたモノクロのよさを大いに発揮していた。

次に一人で出かけた展示は、現場に着くまで何の展示か知らずに行った『パリ日本文化会館』
数年前に行った時、寄席がテーマで、プロの噺家が日本から来て、一席やって、その後、フランス語で解説するという面白い企画であった。
以来、ここのファンになりパリから案内メールを送って頂いていたので、ここにはいくつもりであった。
奇しくも、パリ日本文化会館の20周年記念展示会ということで特別展示はフランス国所有の日本の版画や彫刻、陶器、漆器などなど。
 
 

 北斎による様々な職業の細密な絵の1枚

 かの有名な アーネスト・サトウの肖像
フランス所有ということで、見たことのないものばかりで大いに見応えがあった。

次に、『La Maison de la rouge 』の400枚に及ぶ写真の個人コレクション展〜 Marin Karmitzコレクション展
この展示に関しては、ニコルが前社会党首相だったマニュエル・バルツ氏のツイッターにこの展覧会について書いてあったのを読んで
是非行ってみようと、決めていたもので想定外の規模と面白さであった。つい厚さ2cmのカタログ本を買ってしまった。


  この写真はジョゼフ・クーデルカの作品
写真は実に多岐にわたり集められていて、細江英公の三島由紀夫の写真もあった。広い館内にユニークな展示で飽きずにみた。
カフェで軽食をとったが、ウエイトレスがピエロのような衣装に変な帽子の出で立ちで、ニコルが衣装と展示を褒めると
彼女は最近フランス籍をとったドイツ人で美術系の勉強と衣装の制作をしながらここでバイトしてるとのこと…こういった
小出逢いもまた楽しい。
最後の日に二人で『ボブー』こと、ポンピドゥーセンターへ



 
  一回の入場で4つか5つの展示を見られる展示だった。
ボクが非常に気に入ったのは フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞のトロフィーの製作者であるセザールの彫刻作品の数々。
昔なにかで見たことにある『車のスクラップ』の作品は広々とした空間しかもバックにパリの風景が360度で取り巻く環境は
その状況の中にいる!ということだけでも貴重な体験をすることができたExpo。
 そのあと、パリ最後の思い出に近くの日本食レストランで『豚骨ラーメン』を食したのは旅の締めとしてかなり美味くまとまった。