拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

写楽斎は”ハーフ”

 これまでいろいろな家族構成を見てきたけれど今日じっくり知り合った5人家族はかなり珍しいく、また素敵な家族であった。奥さんはボクの所属しているスイス在住日本人芸術家協会の新メンバーで書道家。グループ展最終日の今日、彼女の家族全員が来て話がはずんだ。

 彼らはいまスイスのチューリッヒ在住2年目、ご主人はチューリッヒ大学で日本の美術史を教えてる先生、しかもデンマーク人であるが、京都生まれの京都育ちで完璧な京都弁を話す、だけではなく、(彼曰く、商売柄)かな書の万葉集なんかも読める・・・とのこと。奥さんも京都出身。5人の子供は上から17、16、15歳しばらく間があいて7と5歳。17と7歳が男の子であとは女の子。上の3人は京都生まれでアメリカ育ち、下の2人はアメリカ生まれ、それでも家の中では、京都訛りの日本語が飛び交っているという。
 5歳のマリアちゃんはとてもお茶目で可愛いく、7歳のペーターはヤンチャ坊主で紙ヒコーキを作ってやると『どないするん?』と京都弁、なんや不思議やな〜。

 ボクは以前からいわゆる『ハーフ』という立場の人々に非常に興味がある、というのは親の都合によって、というか運命によって親すら予測も出来ないような状況を子供たちは受け入れながら大人になっていく。そんな中で自分のアイデンティティというものをどのように確立するのか、どの程度日本人的要素を持ち、それを活かして行くのか。などなど興味が尽きない。

 実は、ボクも『ハーフ』なんです。父が道産子、母が江戸っ子の畳屋の子でした。
いずれにせよ、真の自己探しは、どこで、どのように生まれ育とうと各自が自分の足で、探し当てなければならない事だと思う。だからハーフの彼らの様に初めから自問しなければならない状況というのはある意味、恵まれていると言える。

様々な立場のハーフの皆さん、頑張って!