拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

『魂の退社』を読んで…

前回の『寂しい生活』と同じ著者の稲垣えみ子さんの本『魂の退社』を読んだ。

これを読んで、前回の本『寂しい生活』への流れがよくわかったのは、そもそも『魂の退社』2016年出版、『寂しい生活』2017年出版の順であったからであったのだ。

『魂の退社』があっての流れで『寂しい生活』…となったのが今回はよくわかった。

彼女は大学卒業後、大阪朝日新聞社に入社。その後地方勤務の5年を経て本社勤務であっが、38歳の時予想もしていなかった『異動』を命じられ香川県へデスクとして勤務。

それまでの都会生活から田舎への異動で、はじめは『島流し』…的な気分だったが、自ら地元へ積極的に関わることで学ぶことが多かった。四国であるから、お遍路さんが多いが、ある日息抜きの山歩きをしている時に出会った一人の遍路姿のお爺さんと挨拶を交わした時の彼の笑顔に、突然涙が出てきて止まらなくなってしまった…という。

それが、彼女にとってそれまでの生活から何かが変わっていった出来事であったようなのだ。

そのときのお爺さんって、弘法大師空海さん、あるいは常不軽菩薩・・・だったに違いない。

彼女のこの2冊の本『寂しい生活』『魂の退社』を読んで、いろいろ共感するが、ボクと彼女の場合の違いは、彼女は大学卒業後、大企業就職…と順風満帆で行って、40歳ぐらいで断捨離に気づき、50歳で退社・・・。に対してボクは、自分の心情を守るために職業と住むところを18歳から転々として40歳でスイスにきて50歳で初めて企業に就職…と彼女とは行き方が正反対なところが面白い。

考えてみれば、内風呂、冷蔵庫、洗濯機のある生活というのはボクの場合、スイスにきてからであるから40歳になった時に初めて体験、バカンスのある会社勤めは50歳からだった。

いずれにせよ、彼女は『菩薩の微笑み』で目覚めたのだと思う。

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目覚めた後、彼女はアフロヘアーにしたとのことだけれど、彼女にとってのアフロは菩薩の象徴であるに違いない。(写真は京都にある金戒光明寺にあるアフロ阿弥陀仏。)