拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

巨人サンタと按摩

先月11月中旬、友人(日本人)の陶芸アトリエ30周年記念イベントに客寄せとして10分間按摩をやらんか?…との依頼があり、引き受けた。

陶芸のことは全くわからないが、日本人としてこちらスイスで活動するのは、どんなもんなんだろう…彼もフランス語が下手だから言葉の面で苦労したであろうことは間違いないとして、30年間アトリエを維持し、二人の息子を育てあげるのは簡単ではなかったと思う。それをしっかり支えたのが彼のスイス人奥さんであるが、ボクの相方とはキャラが正反対ぐらいしっかりした…などという比較は止めておこう。

兎に角、彼も70歳になるし、これが最後のイベントになるだろう…ということで、彼等の持っているありったけの情報収集力を百パーセント発揮して宣伝していた。

10年前、彼が60歳の時行った還暦パーティーでは度肝を抜かれた集客力に恐れ入った経験があり、今回も凄い集客になるだろう…と予想できた。しかし、3日前に準備がどれくらいできたか?探りを入れると口で言うほど準備が出来ていなくて急遽手伝いに行くこととなった。

彼等の甘い予想には呆れたが、案の定当日の混雑はそれほど広くないアトリエには入りきれない人々が集まってきたのだ。

午後からはバイオリンとピアノのクラッシック演奏や尺八とギターで日本的曲目の演奏を予定されていたが、午前中は日本茶、たい焼きなどのコーナーがあり、2階のスペースが彼の作品展示販売コーナーとなっていた。

ボクは朝10時から按摩を引き受けていたが、時間がたつほど希望者が増えて12時に近づいたときには、椅子按摩するスペースすら場所がなくなって、一時中断し、午後からまたスペースがあれば按摩を続けることにした。

音楽の催し物がない午前中は、何故か按摩するボクがあたかもパフォーマーかのように、集まった人々の熱い視線を受けなんか冷や汗をかいたが、希望者全員の肩を揉んであげようと無心でやっていたら、最終的に16,7人の肩を揉んでいた。

プレゼント準備で疲れた巨人サンタさんを除いて、ほとんどが中年以降の婦人であったが、中には邪気の強い人がいたようで、ボクはその邪気をまともに受け、後日強烈な風邪を引き3,4日寝込み、唇の熱の花は治るのに3,4週間かかった、それが治らないうちに今度は2年ぶりの強烈な腰痛で一週間寝込み、それがようやっと治ったと思ったら、2ヶ月前から予約していた親知らずの抜歯があって、踏んだり蹴ったりの年末であった。

ところで、一般の人は『邪気』というのを知っているだろうか・・・。東洋医学を学んだ人間は体験的に知っているのだけど。

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     巨人サンタさんを按摩する一撮の図… 2019