拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

カンジのない世界

 この日記を始めるにあたって、花鳥風月の心を西洋に・・・などと書いたけれどこれって結構難しい問題ではある。
写楽斎自身がどの程度それを解っているか?という事を別にしても、日本のあの独特の雰囲気としか言いようのない、しかし
しっかりと『ある』と感じる世界はこちらの人にわかるのだろうか??これはボクがこちらに来てから意識的にも無意識的にもずーっと探ろうとしていた命題であった(という事を今、気がついた。)その逆はあり得るので、つまり、ボクがボブ・ディランやジョン・レノンなどに100%共感できるように、あるいはピカソやゴッホに共感できるように、西洋人も千利休や芭蕉や良寛などに共感できないという保証はないのだが・・・。

それにしても、ここ瑞西でも日本ファンが確かに増えているようだ。先日ジュネーブの領事館で3人展で自分は写真を展示したが(毎年行う日本文化月間の一環として)日本に憧れる西洋人が沢山見に来てくれた。若い人が多いのだが、彼らは日本のどんな所に魅かれているのだろうか。

 我妻ニコルの親戚の22才になる男の子も日本が好きでついに今年の10月に2週間滞在した。
彼にとって最初の日本との接触は、彼が5才ぐらいの時に、日本から帰ってきたニコルとその旦那つまりボクであったが、それが関係しているのかどうか?その後彼は英語の勉強の為にオーストラリアに行って日本人と友達になったが、それは彼をして
決定的な親日家にしたようだ。そんな彼を眺めていると、べつに花鳥風月的なものに魅かれているわけでもなさそうであるが、確かなのはここヨーロッパに無いものを感じ取っているという事だ。
マンガの影響はここ西洋、とりわけフランス語界では絶大で、今年もこの小さい街ローザンヌでも第2回コスプレコンテストなどが催された。

ボクにとっては日本文化の底辺には、漢字の存在が欠かせないと思考していたが、それがマンガやテレビやインターネットの発達で新たな形で、日本文化をこちらに翻訳して流れ込んできているのだろう。

今またグループ展をベルンの大使館で行っているが、仲間のひとりは、書道の大和文字で勝負しているが、考えてみるとこれはなかなか面白い日本人からの挑戦のように思える。