拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

星の王子と庭師

 先週の土曜日、新婚のピーター、マデー夫婦の家に招かれ、マデーのアフリカ(カメルーン)料理をごちそうになる。ボンゴという名の香辛料を使って鶏肉を煮込んだものにバナナの蒸し焼き。その料理の前にアフリカンダンスをマデーと踊りすっかり、たっぷりアフリカ流を堪能させてもらった。アフリカ人の友人はなかなか得難いうえに,彼女のようにどこか古き日本的義理人情に長けた知的な女性と知り合えた幸運にも我々は乾杯した。

 それにしても,旦那のピーターは時代に乗り遅れているというか、完全に取り残されているのに,その自覚が無いのがなにより。まぁ,仕事が公共の公園の手入れをする庭師で,ハイテクとは無縁といえるが、同じ歳のボクが毎晩コンピューターに向かっているのに対してピーターはテレビ一筋、それも映画で母国語の英語で見ているのみ。彼の家には本もなく,どことなく殺風景。・・・一応イギリス人なのでへんてこなジョークを飛ばすが、根っからのお人好し。彼とはボクはバトミントンを通して友達になったが、常にフェアープレーであるところも英国紳士ゆえか。

 そのつぎの日,日曜日の夕方我々は車を借りて、フォアビル(フランス語で"寒い町)に住む友人夫婦、アラン・クロードとナターシャを訪ねる。8年前の2003年に買い入れた中古の家も庭も手入れが行き届いていて住み心地がよさそうに改善されていた。5歳半になる一人息子のルイは相変わらず,<星の王子様>のように賢く,幼い男の子だった。一人っ子にはちょっと広すぎる庭に車のオモチャなどが散乱しているのを見ると、静かな田舎で兄弟のいない一人っ子は少し寂しいような気もするが、両親が常に温かい眼差しを差し伸べて守っているので,一人っ子のよさを将来発揮するに違いない。

この夫婦は,もともと自主独立のマイペースの夫婦で昔はよく二人でスイスの山歩きをし、ネパールのトレッキング、インドへ自転車旅行をしたりと、いつも普通とはチョツト違うスタイルの旅行をしていた。この夏のバカンスも,ルイを連れてフランスの山岳地帯の低いところを5日かけてロバと親子3人で歩きとおしたという。母親のナターシャによるとルイは昆虫に夢中だそうだ。自然志向の強い両親の影響をうけてルイが将来どんな男になるか興味津々だ。