拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

『キン○マ』?!

ヨーロッパで生きていくには、一日にジョークの一つや二つは言えないと…

三十数年前に初めてローザンヌに来た時に、強烈に思い知らされながらも…27年間、一度もジョークを自分から発した事はなかった。というか、様々な理由でジョークが言えなかったのだ。

だからといって、ユーモアを解さないというわけではなく、むしろ過敏なほどの受信能力の持ち主のボクは、人に解されない場面でほくそ笑む為に…なんど誤解を生んだか?

それにしても、最近笑えることが多い気がする。

今、日本の寺で修行している我が友スイス人老僧のクロードは、彼自身の修行修了を証す大事な儀式の日に『しゃっくり』が止まらなくなり、一時間に200回のしゃッくりの内に式を終えたそうだ…笑えない、気の毒な事態が起こったとは思ったが、神妙な儀式でシャックリしっぱなしのクロードを思い浮かべると…そうでなくても、(ほのぼのとした)笑いを誘う男なのに・・・。

先日、バトミントン相棒のピーターが、怪我がほとんど治ったんで、『プレーしようや』というので、『じゃ、無理せんでゆっくりやろうや』とボクが言うと、『OK, but let me win…』 ムムム〜っ やっぱり奴は英国人だワッ!!

で、今日いつも毎水曜日顔を出す日本茶屋『丸茶』での話。

この店は日本語堪能なスイス人のご主人と日本人の奥さんでやっている茶屋で日本好きな人々が結構集まってくるが、今日で見かけるのが2回目の若い男がいたので、日本語を話したいのだろうなぁ、と思ったので声をかけた『あなたは、日本語できますか〜』ってな感じで。『少し〜』のあとで、すぐ言葉が出てこなかったので、ボクは彼の日本語会話レベルがどの程度なのかすぐ解ったのだが、その後に彼が発した単語『キン○マ』に度肝を抜かれてしまった。

『キン○マ』?とボクは彼の眼を見て聞き直したが、彼は悪びれる様子もなく『キン○マ』と繰りかえすので、ボクはすっかり面食らい、そばで友人と話をしていた日本人女性に聞こえていないかと肝を冷やしていると、僕等の会話を聞いていたマスターが『ああ、それはギンタマですよ、マンガ本の…』と説明してくれた。携帯で『銀魂』の絵を見せてくれた。『あああ〜ギンタマ・・・か〜』…それにしてもこれは、ちょっとやばいタイトルだよ〜と、二十歳前後の紅顔の美少年的、君の口から発すべき言葉ではないこと、『銀魂』ならば必ず明確に『ギン』と発音して『キン』と言わないように、特に日本人女性の前では絶対間違わないようにと、釘をさしたのだった…

 

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    美しい玉のような満月が ジュラ山脈に沈む朝の図(2018年の秋)