拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

覚悟の風景

今、五木寛之さんの『人間の覚悟』を読んでいる。

そのキッカケが、昨日たまたまYoutubeで『ラジオ学問ノススメ』で五木寛之さんとのインタビューだった。

2009年2月の放送で、その頃出版された本『人間の覚悟』を踏まえたインタビューは以前一度聞いたはずなのに、何故か今回は耳にスッと入ってきて、20年先輩の先見の明に

眼を開かれた思いをしながら聞き入っていたが、後半のところで彼が言った言葉にボクは本当に驚いた。

話の本筋は1991年頃から日本(そして世界)が大きく変化し、登山で例えると今は『下山の時期』になっていて、学者などが4〜5年の不況と言っているが、そうではなく半世紀単位の、それも500年に一度の大恐慌だと思う・・・というような話の流れの中でで彼はこう言ったのだ。

『(不況による変化)この津波はおおきいよ〜、しっかり覚悟して逃げなきゃ〜』…

これを聞いて、ボクは自分の耳を疑って、インタビューの時期を再確認した。

まぁ、これは偶然であったのかもしれないが、それにしても彼の直感力、2年後2011年の東日本大震災で実際に大津波が来、原発が爆発し,愚暗の安倍政権を迎えて彼が予測した大恐慌はさらに真実味を帯びて現在にいたる。

彼の『覚悟』は、15歳時の敗戦にともないロシアから追われた朝鮮からの凄惨な引き上げ風景が原体験となってるようだ。

これまで、ほとんど五木寛之さんの本に無縁であったが、この大先輩の生き様から学ぶことは多そうだ。(Youtubeでも彼の話を聞くことができる。』

 

f:id:syaraku-sai:20181210222836j:plain

 『覚悟』という言葉には特別な思い入れがある。

鍼灸学生だった時、東洋医道を無料教授してくれた無為塾にお世話になったが、そこで迎えたある新年の朝、先生が塾生全員に好きな言葉を書き初めにせよ…と大紙、禅書道用の大きな筆を渡され、各自おもいおもいの言葉を書いた。

その時選んだ言葉が『覚悟』で、何故この言葉を選んだのか自分でも不明だが、この時の『覚悟』がその後の出発点であり、常に立ち還る原点のような気がする。