拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

いまさら『マトリックス』

先日、ジュネーブで『日本人ママの会』が専門の講師を招いて『サイバー・アディクション(インターネット依存症)』についてのお話を聞いた。

主題は、インターネットに夢中になっている子供達の行く末を案じて…だった。

ボクは自分の子供はいないが、自分自身が結構ネットにハマっている…といってもレベルが相当低いので、なんの心配もいらないが、『依存症』という症状はどんなものなのか…そのへんに割と興味があったので一緒に聞くことにした。

その女性講師は、日本でもそしてこちらスイスでも学生のそういった問題に関わる仕事をしているという。

学生に関していうと、『依存症』という段階までの人間は実際にはほとんどいないが、メンタルな面で日常生活に支障をきたすような様々な問題が少しずつ起きているという。

年少の子供が過剰に長時間ネットにつながっていると『脳に対する影響』が見られるということで、その点での行き過ぎは確かに心配しなくてはならないようだ。

しかし、一般的に思われているような、暴力的なゲームに没頭している少年が将来問題を起こす…というようなことは、実際にはほとんど無く、現実に統計を見ても子供達の暴力問題というのは年々減少している傾向にあるという。

去年か一昨年だったか、『暴露 スノーデン』という本を読んだ時ボクのブログに書いたのであるが、著者がスノーデンにゲームについてインタビューすると『ゲームによつて正義感の強い人間になることが、出来た…』というような回答があって非常に印象に残った。スノーデンのような人こそが『ネット依存症』一歩手前のぐらいまでにネットに没頭している者はいないくらいであろうと思うが、そういった人がこういった回答をしているのは大変興味深いものがある。

講師の話が一通り終わったところで、お母さん達が『ゲーム』に関することを自分の子供を例にあげて具体的な質問がいくつか出たが、こういった話を聞いている時、ボクは1999年に一般公開した例の映画『マトリックス』について考えていた。

あの映画にボクはいろいろな意味で強烈に惹かれていたが、その一つがゲーム的な要素を持つソフトによって、僕等は物凄いスピードでシュミレーション学習している時代に我々が生きている…ことを改めてこの映画で体験的に確認し、共感し得たところに驚きと喜びを皆感じたのではないだろうか?!

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それは、去年ローザンヌの連邦工科大学EPFLに出来た新しいギャラリーで太極拳をする人間の動きを分解連続シーンで映像で見せてくれた画像と自分の太極拳姿を組み合わせるというマトリックスな映像創りに続いてところにも一撮サイバーが生きている図