拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

ローザンヌ・エリゼ写真美術館

 スイス国内に二つある写真美術館のひとつがローザンヌにある。ひさしぶりに出かけると、今回のテーマは写真ではなく、『写真集』であった。それも、STEIDLという出版社の写真集のみの展示。これまで、出版社名まで気にかけなかったので、この名前をしらなかったが、様々な写真集を出版しておりかなり有名な出版社のようだ。展示本には『手を触れないで』と注意書きがあるので、手に取ってみる事が出来ないのが、じれったい。が、そそられる写真集が沢山あって、地下の展示場には印刷機が回っているビデオの大画面と共に印刷場の雰囲気を出す工夫がされていて、面白かった。

 しかし、ここでなんと言っても、最大の今日の収穫は、スイス出身の偉大なる写真家ロバート・フランクについての今年2009年に出たDVDだ。会場でも約30分ぐらい見たが、家でじっくり見ようと購入した。まだこの時点では見ていないが、見たらこの日記で報告したい。

 沢山いる写真家の中で、ボクが最も素晴らしいと思う写真家を一人あげよ、ともし言われたらボクはこのロバート・フランクを選ぶ。写真の最も写真らしい性質の中でもボクは日常に於ける個人的視線を最も重要視しているので、彼の写真集”アメリカ人”はその意味で最高傑作だと思う。ポートレートの名人はアンリ・カルチエ・ブレッソン。

 この後、ニコルと友人の陶芸家の恒例の自宅アトリエ年末展示会を見に行く。われら夫婦は毎年見に行っているので、年中行事的催し物となった感があり、いよいよ年の暮れかあ〜、という実感がわく。この展示にちょっと注文を出すとすれば各年のテーマ性をもっと出してもらって、もっとチャレンジしてもらいたい。