拈華微笑

我が琴線に触れる森羅万象を写・文で日記す

ロバート・フランクと『世界の写真家』重森 弘淹

 ロバート・フランクの写真集アメリカ人の足跡を巡ったドキュメントDVDを見たが、すぐ何かを書けそうにもない。

 それよりも、ロバート・フランクをはじめたくさんの優れた写真家の写真と経歴を載せたボクにとって大変思い出深い一冊の本の話を。『世界の写真家』重森 弘淹著 にはボクが写真をはじめた当時何回も何回もその本を見て、読んで、その時一番印象に残ったのがロバート・フランクの写真でした。白いカバーの本であったが、これが、我が写真学校 芦屋芸術学院 写真科の教科書であったのか?どうか今は思い出せないでいる。その本も残念ながら失ってしまった。もし、これが教科書であったなら、ボクはこの学校を高く評価するだろう。この本一冊あればほかの事はそんなに重要ではない、と今でも思う。

この学校を卒業して11年後東京で行ったボクの写真展『貰った背広』の記帳ノートに重森さんの署名があった。ボクはその時スイスに遊びに来ていて、この方に会うことが出来なかったのは本当に残念なことをしたと思う。これを書くにあたってインターネットで彼のことを調べると1992年に66才でお亡くなりになったとある。まだこれからというのに日本の写真界は貴重な人を失った。それを今日までボクは知らなかった。

 批評家であると同時に教育者である重森弘淹の基本思想は『表現とは、作者の批評行為であり、それなくしては表現は存在しない。』と言うものでした。・・・・とWikipediaにありました。

 この言葉というのは、正に今回購入したDVD『An American Journey』を見た感想そのものです。